お疲れ様です、しまなぶです。

勉強会おさらい第5回目は、『デジタル田園都市国家構想問題点』です。

「デジタル田園都市国家構想」とは、岸田政権の目玉政策の一つで、地方経済を活性化して日本を動かす戦略で、ビジネスの中心地に人が集まる傾向があるが、地方に分散し、街づくりや経済活動につなげる、というアイデアです。

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「デジタル田園都市国家構想の取り組みイメージ」(2021年11月デジタル田園都市国家構想実現会議配付資料より)

以前、デジタル化に先駆けて、スーパーシティ構想もありました。
デジタル田園都市国家構想はこれの別名版に過ぎません。

デジタル田園都市国家構想実現会議の名簿を見ると・・・

議長  岸田総理
副議長 若宮担当大臣
    牧島デジタル大臣
    松野官房長官
構成員 野田聖子地方創生担当大臣
    各大臣
    竹中平蔵 慶應義塾大学名誉教授
    野田由美子ヴェオリア・ジャパン株式会社取締役会長
    他
詳しくは、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/meibo.pdf

筆者個人の意見として、竹中平蔵がメンバーにいる時点で、良いことは起きません。

<デジタル田園都市国家構想に向けての首相動向>

2021年12月4日、岸田総理は、会津若松市のIT関連拠点施設「スマートシティAiCT」と会津大学を視察しました。
ここで、地元で医療や農業でデジタル技術を活用している事業者や市民と車座対話を行いました。

<デジタル田園都市国家構想の問題点>

自民党政権により、日本はデジタル後進国となってしまいました。
でも、都市をデジタル化して便利になれば良いのではないか、と思われますが、それは、十分な供給力があってこその話です。
日本は、失われた30年で、25年以上続くデフレで、供給力はガタ落ちしてます。
供給力不足を補うには、海外資本を使うしか方法はありません。
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デジタル田園都市国家構想にはスマホの情報を扱うので、個人情報が海外へ流出・利用されてしまいます。
それを詳しく見ていきます。

<デジタル化の利点>

そもそもデジタル化とは、人間が行っていることを、機械が行うことで、正確に迅速に属人化せず、作業することです。
例えば、役場で住民票をもらうときに、自分の氏名や本人確認して、
役場職員が住民票に氏名・住所・生年月日・異動履歴などを手書きしてました。

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これが、サーバにあるデータを住民票に印字するだけになりました。
これにより、作業効率も正確性も上がりました。

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ここに、デジタル田園都市国家構想が付帯すると、個人の利便性に加え、社会の利便性が上がります。
自動車の自動操縦や、バスの効率的な周回コースや、スマホを使ったバス到着予測時間取得、公的手続きなどが、人を介さず自分の好きな時間に行えるようになります。
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ただし、この「スマホで」というのに危険性があるのです。
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<ビッグデータは個人情報>

スマートフォンの位置情報はビッグデータとしてGoogleやAppleなどのプラットフォーム企業のクラウド上のサーバに記録されます。
 ・移動軌跡(いどうきせき)
 ・入店情報(にゅうてんじょうほう)
 ・TwitterやInstagramなどSNSに上げるために撮った写真
 ・同行者
など、すべてがスマートフォンからアップロードされ、さらに、
 ・氏名
 ・居住地
 ・生年月日、年齢
までもが、データ管理されており、それらとリンクされます。
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<クラウドサービス>
いったん脇道に逸れます。
そもそもクラウドサービスとは何なのか、改めて見てみます。
みなさんが利用しているスマートフォンは色々便利ですが、そのデータの99.9%近くはクラウドサービスを使ってデータアクセスしてます。

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スマホ→アクセスポイント→通信業者→海外、のようなルート(上り)を通り、目的のサーバまでたどり着き、情報を取得して、スマホに戻ってきて(下り)情報表示します。

つまり、氏名、住所、生年月日などの個人情報はもちろん、デジタル田園都市国家構想のビッグデータもGAFAM(がーふぁむ、Google/Apple/Meta(Facebook)/Amazon/Microsoft)の各サーバに記録されています。

<集計・予測による行動誘導>
ビッグデータとして集められた情報は、プログラムによって、色々と利用されてしまう恐れがあります。
例えば、
 ・集計(利用者一覧、年齢別購入品リスト、時間帯別密集エリア、etc)
 ・予測(購入品をもとにしたおすすめ商品)
集計は、一般公開や譲渡には、国内なら個人情報保護法により、当事者への同意が必須ですが、海外はそれにあたりません。
予測は、各アプリに組み込まれたプログラムで一斉処理が可能です。
これにより、買いたくもない・買わなくてもよい商品も購入してしまったりします
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<蛇足>
この集計・予測のプログラムを機械学習といい、いわゆるAI技術です。
機械学習は、予測の他にも画像解析やパターン振り分けなど数種類の処理結果を出します。
例えば、日付時間帯の日照時間、日射角度などの天気のデータとソーラーパネルの発電量を組み合わせて、天気予報データにマッチングさせて、発電量予測が出来たりします。

最近色んな施設に行って、タブレットの前で検温してるのも、複数人の写真データをもとに、顔の輪郭判定するAIで画像解析しています。

パターン振り分けは、御飯・焼き魚・味噌汁・漬物を食べたら、「和食好き」とかです。

機械学習には、予測判定のための元データが必要です。

<企業間で高額取引>
現代は、個人情報は商品です。

海外企業間で高額取引され、私たちのデータは、世界各地のIT企業間を行き来しています。
これに日本政府が関わり、新自由主義棄民政策に利用されてしまいます。
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以上、『デジタル田園都市国家構想問題点』についてでした。

ご意見、ご感想、疑問や質問など、お気軽にどうぞ。

written by しまなぶ